この記事では「お断り」の言い換えや類義語を例文と共に紹介します。
ビジネスや日常での「お断り」の使い方や注意点についてもご紹介いたしますので、よければ参考にしてみてください。
「お断り」の基本的な意味と背景
「お断り」(ことわる)という言葉は、他人からの申し出や依頼を受け入れない、あるいは拒否するという意味を持ちます。この言葉の背景について考察すると、以下のような側面があると言えるでしょう。
- 礼儀の観点: 相手の気持ちを尊重することが重視されるため、単に「いいえ」と言うだけではなく、相手の申し出を丁寧に断る表現が多く存在します。
- 社会的な観点: 「お断り」には、単に否定するだけでなく、相手との関係性や状況、タイミングなどを総合的に考慮した上での判断が求められることが多いです。ビジネスの場では特に、相手の立場や気持ちをくみ取りながら、適切な表現で断る技術が重要とされます。
- 語源の観点: 「断る」の語源については諸説ありますが、一般的には「断つ」(たつ)に関連するとされ、つながりや連続性を絶つ、区切るといった意味があるとされます。このため、申し出などを断る際に使用されるようになったと考えられます。
「お断り」は、コミュニケーションにおいて非常に多面的な意味を持つ表現であり、その使用は相手や状況に応じて慎重に選ぶ必要があります。
「お断り」言い換え・類義語と例文(ビジネス)
「お断り」は、ビジネスシーンでよく使われる表現ですが、時には異なる言い回しを使いたい場合もあります。
「お断り」の意味を含んだ表現の言い換え(類義語)をご紹介します。
- 拒否
- 辞退
- 固辞
- 遠慮
- 謝絶
- 断り
- 願い下げ
- 御免
- 難しい
- 却下
- 拒絶
- 否認
- 棄却
- 勧告
- 拒む
- 退ける
- 否決
- ご遠慮申し上げます
- 今回のプロジェクトのお誘い、大変光栄に存じますが、他の予定が重なってしまうため、ご遠慮申し上げます。
- お断り致します
- 申し訳ございませんが、提案された条件では合意できかねるため、お断り致します。
- 辞退させて頂きます。
- この度はご推薦いただき感謝申し上げますが、私の方針とは異なるため、辞退させて頂きます。
- 遠慮させていただきます
- お誘いいただきありがとうございます。しかし、今回は体調を考慮して、遠慮させていただきます。
- ご要望には添いかねます
- ご提案いただいた方針について、我々の方針と合致しない部分があるため、ご要望には添いかねます。
- 見送らせていただきます
- 検討いたしましたが、現時点での導入は困難と判断いたしましたので、見送らせていただきます。
- 致しかねます
- お客様の要求に対して、現在のシステムの仕様上、対応致しかねます。
- できかねます
- ご指摘いただいた問題の修正は、現行の契約範囲外となりますので、対応ができかねます。
- お受けできません
- 申し訳ございませんが、その日は他の約束が入っておりますので、お受けできません。
- お役に立てません
- その専門分野は私の知識が不足しているため、今回はお役に立てません。
- お力になれません
- ご希望の条件では、私たちの会社としても対応が難しいため、お力になれません。
- 応じかねます
- お客様のご要求に対しては、残念ながら当社のポリシーに反する部分があるため、応じかねます。
- 認めかねます
- ご提出いただいた書類に不備が見られるため、このままでは認めかねます。修正をお願いいたします。
- お引き受けできません
- 申し訳ございませんが、現在の業務量では追加のプロジェクトをお引き受けできません。
- お応えすることができません
- その問い合わせについては、私の権限を超えているため、お応えすることができません。
- 申し訳ありませんが、お受けしかねます
- 今回の提案については、予算の都合上、申し訳ありませんが、お受けしかねます。
- お引き取りいただけますか
- 今回のお取引に関しては、契約条件に合致しない部分があるため、お引き取りいただけますか?
- 承諾できません
- ご提案いただいた条件は会社の方針と異なりますので、申し訳ございませんが、承諾できません。
- 賛同しかねます
- このプロジェクトの方向性にはいくつかの懸念点がありますので、現段階では賛同しかねます。
- ご容赦いただけますでしょうか
- 今月はスケジュールが非常に厳しいため、会議の延期をご容赦いただけますでしょうか?
- お許しいただけますでしょうか
- 配送の遅延が発生してしまいました。大変申し訳ございませんが、お許しいただけますでしょうか?
- ご了承いただけますでしょうか
- 製造過程でのトラブルにより、納期が遅れることとなりました。ご了承いただけますでしょうか?
- お受けいたしかねる状況です
- お求めの商品は現在在庫切れで、お受けいたしかねる状況です。他の商品をご検討いただけますでしょうか?
- 受諾することが困難です
- 提案された価格では、受諾することが困難です。再検討いただけると幸いです。
- 同意できない立場にあります
- 申し訳ございませんが、この案にはいくつかの問題点があり、現時点では同意できない立場にあります。
- 同意しかねる状況です
- ご提案いただいた取り決めには法的な問題があるため、同意しかねる状況です。
- お受けすることが難しいです
- お申し込みいただいたセミナーは定員に達しており、追加の参加者をお受けすることが難しいです。
- 承ることができません
- 今回のプロジェクトについては、社内の方針に従い、残念ながら承ることができません。
- 受け入れが難しいです
- 現在の業務量を考慮すると、新しい案件の受け入れが難しいです。次回の機会にご相談させていただけますでしょうか。
- ご了解いただけますか
- 予想以上の需要により、一時的に商品の供給が困難となっております。ご了解いただけますか?
- 受けることが出来ない状態です
- その条件では、残念ながら受けることが出来ない状態です。何卒、ご理解いただけると幸いです。
「お断り」の言い換え・類義語と例文(日常)
「」は、日常生活でもよく使用される表現です。しかし、少しフォーマルな印象を与えるため、普段でも使えるような言い回しを求める場合もあります。以下に、日常で使える「」の言い換え表現と例文を紹介します。
- それは無理です
- 「週末に一緒にキャンプに行かない?」
- 「それは無理です、すでに予定が入っているんだ。」
- できないんです
- 「明日、私の犬の散歩をしてくれる?」
- 「ごめん、できないんです。仕事が忙しいんだ。」
- やめておきます
- 「この映画、一緒に見に行かない?」
- 「評判があまりよくないみたいだから、やめておきます。」
- それはちょっと…
- 「新しい飲み会に来る?」
- 「それはちょっと…、最近ちょっと体調を崩してるんだ。」
- 申し訳ないけれども
- 「週末のハイキングに参加してくれる?」
- 「申し訳ないけれども、その日は別の用事が入っているんだ。」
- お受けできないです
- 「明日のパーティーに来る?」
- 「すまない、お受けできないです。用事が入っているんだ。」
- 受けられないんですよ
- 「今度のプロジェクト、協力してくれる?」
- 「受けられないんですよ、すでに他のプロジェクトがいっぱいで。」
- それは叶いません
- 「一緒に海外旅行に行かない?」
- 「それは叶いません、今年は予算が厳しいんだ。」
- それは遠慮します
- 「この新しい料理、試してみない?」
- 「それは遠慮します、ちょっと苦手な食材が入っているみたいだから。」
- やりかねます
- 「週末、僕の引っ越しを手伝ってくれない?」
- 「ごめん、その日は仕事でやりかねます。」
- お引き受けできません
- 「新しいクラブの会長、やってくれない?」
- 「お引き受けできません、今は他の役職で忙しいんです。」
- それはお断りさせていただきます
- 「次回の大会に出ない?」
- 「それはお断りさせていただきます、最近体調を崩していて参加は厳しいです。」
- ごめん、今回はちょっと…
- 「明後日の集まりにくる?」
- 「ごめん、今回はちょっと…。また次回に参加させてね。」
- 今回はパスだね
- 「新しいヨガクラスに一緒に行かない?」
- 「今回はパスだね。でも感想を教えて!」
- 残念だけど、今回は無理だよ
- 「週末に釣りに行かない?」
- 「残念だけど、今回は無理だよ。次回の予定を教えて!」
- その日は予定があるから、また次回に
- 「月曜日に一緒に映画を見ない?」
- 「その日は予定があるから、また次回にしよう。」
- 時間が合わないんだ、また今度ね
- 「金曜の夜、飲みに行かない?」
- 「時間が合わないんだ、また今度ね。」
- ちょっと体調が悪いから、また別の日に
- 「今晩、ディナーに来ない?」
- 「ちょっと体調が悪いから、また別の日にしよう。」
- ごめんね、今回はちょっと行けないかも
- 「明日のパーティーに来る?」
- 「ごめんね、今回はちょっと行けないかも。また次回に参加するね!」
- 今度の土曜は忙しいから、別の日にしよう
- 「土曜日にピクニックに行かない?」
- 「今度の土曜は忙しいから、別の日にしよう。」
- その時間、他に予定があるんだ。すまない
- 「火曜日の夜、食事に行かない?」
- 「その時間、他に予定があるんだ。すまない。」
- 今回はちょっとお金が厳しいんだよね
- 「来週、海外旅行に行かない?」
- 「今回はちょっとお金が厳しいんだよね。また次回のプランを楽しみにしているよ!」
- 今回はスキップだ
- 「月曜の飲み会、来る?」
- 「今回はスキップだ。次回には参加するから楽しみにしてるよ!」
- ちょっと難しいな
- 「今晩、新しいレストランでディナーはどう?」
- 「そこ行きたかったけど、今晩はちょっと難しいな。また別の日にしよう。」
- 次回にしよう
- 「明日、ランチを一緒にどう?」
- 「明日は予定があるから、次回にしよう。」
- 今度の方がいいかな
- 「来週のコンサートに行く?」
- 「来週はちょっと忙しいから、今度の方がいいかな。」
- 今回は行けないんだ
- 「明日のパーティーに来る?」
- 「ごめん、今回は行けないんだ。次回には絶対参加するね。」
- ごめん、今回はちょっと
- 「週末に一緒に釣りに行かない?」
- 「あ、それ楽しいね。でもごめん、今回はちょっと。またの機会にしよう。」
- 今回は見送るね
- 「今晩、新しいバーで一杯どう?」
- 「今回は見送るね。でも次回には一緒に行こう!」
- その日は無理かも
- 「来週の水曜日に映画を観に行こうか?」
- 「その日は無理かも。他の日なら大丈夫だよ!」
- 今回はお断りします
- 「明日のランチ、一緒にどう?」
- 「今回はお断りします。すまないけど、また別の日に計画しよう。」
- その時間、できないんだ
- 「土曜日の午後にテニスしようか?」
- 「その時間、できないんだ。日曜日なら大丈夫だよ!」
- 今回はちょっときついな
- 「週末に山登りに行かない?」
- 「今回はちょっときついな。次回に参加させてね。」
- 時間が合わないから、また今度ね
- 「明日の夜、ディナーに来ない?」
- 「時間が合わないから、また今度ね。」
- 今回は不参加で
- 「来週のフットサル、参加する?」
- 「今回は不参加で。次回には必ず出るよ。」
- 今度にまわしてもらえる?
- 「明日のランチ、一緒にどう?」
- 「今度にまわしてもらえる?今回はちょっと予定があるんだ。」
これらの表現は友達同士のカジュアルな会話で使いやすく、柔らかい断りの方法として効果的です。
英語ビジネス用語(カタカナ)の「お断り」の言い換えと例文
「」は、ビジネスシーンでよく使用される表現ですが、英語のビジネス用語にも言い換えることができます。以下にいくつかの言い換え表現と例文を紹介します。
- パス(Pass)
- 英語: “We’ll have to pass on this proposal for now.”
- 日本語:「今回の提案にはパスさせていただきます。」
- キャンセル(Cancel)
- 英語: “We have decided to cancel the meeting scheduled for tomorrow.”
- 日本語:「明日予定していた会議はキャンセルすることにしました。」
- デクライン(Decline)
- 英語: “I regret to decline the invitation to the conference.”
- 日本語:「会議への招待はお断りさせていただきます。」
- リジェクト(Reject)
- 英語: “After careful consideration, we have decided to reject the offer.”
- 日本語:「検討した結果、オファーをお断りすることにしました。」
- オプトアウト(Opt out)
- 英語: “You can opt out of the subscription at any time.”
- 日本語:「いつでも購読からオプトアウトすることができます。」
- スキップ(Skip)
- 英語: “We’ll skip the usual introductory remarks and get right to the point.”
- 日本語:「通常の紹介の部分はスキップして、本題に入りましょう。」
- リフューズ(Refuse)
- 英語: “I’m afraid we must refuse your request for additional funding.”
- 日本語:「追加の資金提供のご要望はお断りしなければなりません。」
- ノーサンクス(No thanks)
- 英語: “No thanks, we have enough supplies for the project.”
- 日本語:「結構です、プロジェクトの供給品は十分あります。」
- ノーゴー(No go)
- 英語: “After reviewing the plan, it’s a no-go from our side.”
- 日本語:「計画を確認した後、我々としては進行できません。」
- NG(エヌジー)
- 英語: “This draft is NG; please revise it before the meeting.”
- 日本語:「この下書きはNGです。会議前に修正してください。」
- ソリー(Sorry)
- 英語: “Sorry, but we can’t extend the deadline any further.”
- 日本語:「申し訳ありませんが、締め切りをこれ以上延ばすことはできません。」
- ノーウェイ(No way)
- 英語: “No way can we complete the project in such a short time.”
- 日本語:「こんな短期間でプロジェクトを完成させることはできません。」
「お断り」の使い方を例文で紹介
- ビジネスシーン
- 「申し訳ございませんが、この案件についてはお断りさせていただきます。」
- 友達との会話
- 「ごめん、今週末はちょっと忙しいから、パーティーには参加するのを断らせてもらえる?」
- フォーマルな拒否
- 「この度のお申し出に対しては、重ねて考慮いたしましたが、残念ながらお断りさせていただく判断に至りました。」
- カジュアルな拒否
- 「今夜の飲み会、ちょっと疲れてるから断るね。また次回にしよう。」
- 丁寧な断り方
- 「お誘いいただき、大変光栄に思います。しかしながら、予定が既に入っているため、お断りさせていただきます。」
- 助言・提案を断る
- 「その提案は面白いと思いますが、現段階では実行するのを断らせていただきます。」
「お断り」の使い方と注意点
- 相手の気持ちの配慮
- この表現は断る事実自体が相手にとって残念なものである可能性があるため、その背後にある理由や代替案などを添えて、相手の気持ちをできるだけ傷つけないように配慮することが重要です。
- 適切な文脈
- あまりにもカジュアルなシーンでは、この表現が硬すぎると感じられる可能性があるため、相手やシチュエーションに応じて言い回しを選ぶ必要があります。
- 誤解を避けるための明確さ
- 「お断りさせていただきます」の後に具体的な理由を添えないと、相手が理由を正しく理解しない場合があるかもしれません。断る理由が明確であれば、相手が受け入れやすく、誤解を生じにくくなります。
- 適切なタイミング
- 何を断るのか、いつ断るのかなど、タイミングも重要です。早すぎず遅すぎず、相手が納得できるタイミングで伝えるように心がけましょう。
- 誠実な態度
- 「お断りさせていただきます」という言葉だけでなく、全体のトーンや態度も一貫して丁寧であるべきです。言葉だけが丁寧で、態度がそうでないと、誠実さに欠けると感じられることがあります。
この表現を使う際には、これらの点に注意して、相手との関係や状況に応じた適切なコミュニケーションを心がけるとよいでしょう。
「お断り」の言い換えと類語のまとめ
「お断り」の言い換えや類語は、文脈や相手との関係に応じて多岐にわたります。以下にいくつかの例を挙げます。
ビジネス・フォーマルな文脈
- お断りさせていただきます
- 遠慮させていただきます
- ご要望には添いかねます
- お受けできません
- 賛同しかねます
- お引き取りいただけますか
- ご了承いただけますでしょうか
- お受けいたしかねる状況です
日常会話・カジュアルな文脈
- それは無理です
- できないんです
- やめておきます
- 今回はパスだね
- ごめん、今回はちょっと
- 今度の方がいいかな
- その日は無理かも
英語カタカナ語(ビジネス・カジュアル両方に使用可能)
- パス(Pass)
- キャンセル(Cancel)
- デクライン(Decline)
- リジェクト(Reject)
- オプトアウト(Opt out)
- スキップ(Skip)
- リフューズ(Refuse)
これらの言葉を使って断る際には、シチュエーションや相手との関係性に応じて適切な言い回しを選ぶことが重要です。
カジュアルな言い回しは友達や親しい人々との会話に適していますが、ビジネスなどのフォーマルな場では、より丁寧な表現を使う方が良いでしょう。